経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

年度末要因などで3月の生産が上昇するはずの品目が上昇せず、低下寄与が大きくなった電気機械工業や金属製品工業

 平成27年3月の鉱工業生産の業種別の動向を見てみます。

 3月の生産では、全体15業種のうち、低下業種9業種、上昇業種5業種、横ばい1業種となっています。 

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 3月の低下業種の中では、電気機械工業の低下寄与が大きく、石油・石炭製品工業、金属製品工業がそれに次ぎますが、この2業種の寄与の大きさは、電気機械工業の半分です。そして、これら以外の6業種の低下寄与は、さらにその半分よりも小さくなります。

 よって、3月の鉱工業生産の低下は、電気機械工業、石油・石炭製品工業、金属製品工業の3業種の低下を主因とするものとなります。 

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 電気機械工業については、電力変換装置、セパレート形エアコン、開閉制御装置といった品目が下がっています。

 電力変換装置とは、電気の流れを直流から交流又はその逆に変える装置で、いわゆるインバータ装置です。最近では、太陽光発電で利用される大型のもののほか、鉄道車両のブレーキ発電や電気製品の中に使われる装置も多いところですが、1、2月の高水準の生産の反動が出ているようです。

 エアコンの生産は、本来そろそろ夏場の需要期に向けて生産増になるタイミングですが、在庫が前年水準から4割増しになっているので、在庫調整局面に入っているようです。

 開閉制御装置は3月に生産出荷されることが多いのですが、昨年はほぼ1年間、生産上昇寄与品目として開閉制御装置を紹介しましたことから分かるように、恒常的に生産がなされていました。そのため、年度末の集中生産が緩和されたため、低下という数値となっています。

 

 石油・石炭製品工業については、1月、2月と連続して生産出荷が上昇していた2業種の1つですので、多少反動減が出ているようです。

 BC重油については、電力業が3か月連続の低下となっている影響かと思います。ジェット燃料やガソリンについては、2月までの高水準の生産からの反動と、3月までの海外市況の悪化(価格低下)の影響(3月は石油・石炭製品工業の輸出が▲5割近くの低下)で3月は生産低下となっています。

 

 そして、金属製品工業については、橋りょうや鉄骨の生産低下によるものです。

 2月までの建設業活動指数を見ると、昨年11月から活動レベルが前月比低下となっており、特に公共事業が低下しています。民間のビル建築や工場建築となる非住宅建築活動もあまり調子が良くないということで、これらの品目が低下ということになりました。橋りょうなどは年度末3月の生産が例年高くなるのですが、公共事業が進捗していた昨年中、たびたび生産上昇寄与品目として登場していましたので、既にかなりの量が生産・出荷されてしまっていたものと思われます。

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 このように見てみると、通例では3月に生産が多くなる品目において、生産の分散化や在庫調整などがあって生産が例年より低下したことにより、鉱工業生産が押し下げられた面が強いようです。

 

 

◎ポイント資料

 

◎参考図表集

 

◎データ公表冊子