経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

モノの消費は回復道半ばですが、サービスの消費は増税前の水準に戻っています

昨日、商業動態統計(商業販売額の経済指標)の3月分が公表されました。

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/pdf/h2sshodo.pdf

これによりますと、3月の商業販売額(卸と小売の合計)は、42兆円2700億円、前年同月比マイナス8.5%の減少です。卸売業は29兆8740億円で、前年同月比マイナス7.9%の減少で、小売業は12兆3960億円、前年同月比9.7%の減少です。

 小売業の売上げは、昨年3月と比較すると1割近く低下していることになります。

 このため家計、個人の消費が消費増税後復活していないことが懸念されています。

 

 そこで、個人、家計の消費について、そのモノ(財)とサービスの関係を把握した上で、ごく簡単に比較をしてみました。

 

 まず、需要側である家計の支出を見ると、財への支出とサービスへの支出は、ほぼ半々です。

 
 さらに、財やサービスを個人、家計に供給する産業側に付加価値(利益や賃金)でみると、財の製造・小売業で3割、個人向けサービスが7割となります。つまり、個人消費の議論をするときは、個人向けサービスの動きも見る必要があるということです。

 
 簡易的に実質化した小売業売上げと第3次産業活動指数の広義対個人サービス指数から小売業分を除外した個人向けサービスの動き(2月まで)を比較すると、財の小売(下図の赤線)はまだ増税前の駆け込み特需の前の水準より低い水準にいますが、個人向けサービスから小売を除いたもの(下図の青線)では、その特需の頃の水準に戻っています。

 
今年に入っての小売販売額を押し下げているのは、燃料小売業における価格の急激な低下なのですが、足下の季節調整値の動きを見ると昨年の秋口から低下傾向になっており、モノの家計消費は方向感もよくありません。

 
個人サービスは、医療福祉や高熱関係といった生活必需的サービスが大きく戻しているほか、観光や各種の娯楽サービス、飲食サービスなどが増税後も堅調に推移しており、特に、観光関連は好調な推移となっています。
個人消費の低迷というと、家電製品の売上げ不振(ちなみに、3月の家電量販店の売上げは、前年同月比で4割減少)などだけをとらえて議論されますが、観光や娯楽サービスなどへの支出やそういった分野の産業活動まで視野を広げると、少し様相が異なるようです。
 
※専門量販店販売統計