経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

消費増税から1年経過、個人サービスと耐久消費財の低下を分析した資料を紹介します。

消費増税から1年が経過しました。昨年後半から鉱工業生産は、輸出や資本財を軸に回復してきていますが、その一方で、個人消費の回復は今ひとつとされています。

そこで昨年、経済解析室が、増税後の産業活動を経済指標で追ってみた資料を改めて紹介します。

 

◎対個人サービスが足を引っ張った増税後の全産業活動

 昨年の増税直後の産業活動においては、ます個人サービスへの影響が顕著でした。

 大きな経済ショックであったリーマンショック後の「底」である2009年第1四半期と昨年の第2四半期を比較すると、個人サービスの低下が、第3次産業を大きく低下させていました。

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 消費増税後の26年4~6月期では、全産業活動の低下が顕著であったが、その要因のほとんどは「第3次産業活動」の低下で説明された。
 その背景には、リーマンショック後ではみられなかった“対個人サービス”に弱さが感じられたのが特徴であり、「小売業」や「生活関連サービス業,娯楽業」といった個人消費に関連するサービスを中心に低迷がみられた。

 また、この“対個人サービス”の低迷には、増税を挟んで供給側のコストプッシュを背景に、供給関数が上方シフトし、価格上昇を招いたことが活動量の低下に影響を与えていることを確認している。もっとも、“対個人サービス”では、増税直前の10か月前から需要関数が上方にシフトし、消費者マインドが強くなっていたことが確認され、またその状態は増税後も続いていた。このため、供給関数の上方シフトによる活動量の低下が若干マイルドになっている可能性がある。

 

◎消費増税による産業活動への影響 ~前回増税時(平成9年)との比較~

 鉱工業生産については、増税直後よりも第3四半期の低迷が大きくなりました。

 前回の1997年の消費増税時と昨年の1年間を比較すると、耐久消費財の国内向け出荷が相対的に落ち込んでいました。

 

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消費増税の影響を受けた平成9年4~6月期、26年4~6月期の動きと、リーマンショック後のボトムである21年1~3月期の動向を比較すると、増税時は内需型ビジネスである第3次産業活動の低下が相対的に大きい。

平成9年4~6月期と26年4~6月期の動きを比較すると、「鉱工業生産」の動きに違いがみられる。26年4~6月期における鉱工業生産の低下幅が相対的に大きく、翌期も回復の勢いが弱い。

今回(26年)は、「耐久消費財」の前年比が前回を下回っており、その他の財の前年比は、全て上回っている。

 

これらの分析資料をスライドシェアにアップしておりますので、ご活用いただけると光栄です。