経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

時間とともに下がる中間投入比率(延長産業連関表分析その2)

経済解析室では、5年ごとに作成される基本表とは別に、ほぼ毎年(簡易)延長産業連関表を作成公表しています。

最新版である、平成24年の(簡易)延長産業連関表で様々な分析が可能となります(その2)。

産業連関表は、GDP統計と異なり、産業の生産活動に投入される財サービスについても表に集計されるのので、この「中間投入」の分析こそが、産業連関表の醍醐味と言えます。

中間投入に占める財、サービスの割合を見てみると、全産業の中間投入率46.8%のうち、財が投入される割合が23.9%、サービスが投入される割合が23.0%となり、ほぼ半々ということにっており、このような面からも日本産業のサービス化の進展を見て取ることできます。
なお、中間投入されるサービスとしては、会計士やデザイン、機械修理等の事業所に提供される「その他の対事業所サービス」が最も多く、次いで「商業」(要すれば、卸売流通サービス)」、「金融・保険」が続いています。

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この平成24年簡易延長産業連間表からわかる中間投入構造を、平成23年延長表(今回公表された産業連関表基本表ではなくて、経済解析室が今年の4月に公表した別の産業連関表です)から分かる前年の中間投入構造と比較してみます。

産業全体の中間投入率は、数値としては変わりありません。
ただし、その中間投入における財とサービスの比率では、財の比率が23.5%、サービスの比率が23.3%となっており、24年にかけて、サービスの重みが低下していたことが分かります。
24年は、23年との比較で、サービス生産額は低下、財生産額は上昇していた年であり、サービス投入比率の高いサービス産業が低下していることによって、サービスへの中間需要も下がっていたものと解釈できます。

平成17年基本表の中間投入構造との比較を行うと、全産業の中間投入率が48.1%でありますので、▲1.3%ポイントの低下となります。
中間投入率は、少しずつですが中期的に低下傾向にあります。その中でも、加工組立型製造業の中間投入率は、17年の73.7%から、24年の69.0%と、▲4.7%ポイント低下しています。
この背景には、加工組立型産業の投入構造において、例えば、電子部品部門の自部門投入の内生部門計に対する比率が下がっているように、製品のモジュール化が進んで投入する部材自体が少なくなっているといった要因があるものと思われます。

と同時に、加工組立型業種の中間投入率においては、財の比率もさることながら、サービスの比率の方が大きく下がっているところです。サービスの中間投入においては、デザインや設計の外注や会計サービス等の専門的なビジネスサポート(その他の対事業所サービス)、流通サービス(商業)、金融サービスなどの投入額が多いことは先ほど説明しましたが、加工組立型業種の生産額が低下(17年比で、▲2.7%低下)する中で、生産額の縮小以上にサービス投入を減らしていることになります。

経済解析室の作成している平成24年の延長産業連関表の説明スライドと解説をスライドシェアにアップしておりますので、ご活用ください。

◎スライド資料

 

◎解説資料

 

解説資料については、こちらからもダウンロード可能です。

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kanieio/result/result_13/pdf/H24H23reportj.pdf