経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

輸出額が増加すると、その2倍の生産額が増加(延長産業連関表分析その8)

経済解析室では、5年ごとに作成される基本表とは別に、ほぼ毎年(簡易)延長産業連関表を作成公表しています。

最新版である、平成24年の(簡易)延長産業連関表で様々な分析が可能となります(その8)。

産業連関表では、最終需要項目が、どの程度の生産を生み出したという分析を誘発分析といいます。
また、需要項目それぞれが生み出した1単位当たりの生産額を表す生産誘発係数を見ると、「輸出」は2.0878、要すれば輸出額が1単位増加すると、その2倍の国内生産額が発生するということであり、「投資」については1.6411、「消費」については1.5002となっています。

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生産誘発係数は、国内生産額を生み出す力を部門別に見た生産波及力と基本的な発想は同じであり、それを需要項目別に見ているものと大まかには言うことができます。
よって、中間投入の変化やサービス化などの要因は同様に作用することになります。

「輸出」と「消費」の生産誘発額の差の背景には、その需要に占めるサービスの割合の違いがあります。
全産業供給指数を用いてサービス比率を出してみると、おおむね「輸出」では約3割であるのに対し、「消費」では7割を超えており、輸出に比べてサービスの占める割合の大きい消費では生産誘発が小さくなることになります。

「輸出」と「投資」で比べると、狭い意味でのサービス業の割合は、両方とも約3割で大きな違いはありません。
しかし、「投資」その中でもウェイトの大きい「企業設備投資」においては建設の占める割合が高く、サービスと建設の需要の割合でみると6割近くになります。
建設は付加価値率が5割近くあり、その中間投入構造はサービス業に近いので、建設とサービスの割合が高い投資についても、輸出よりも生産誘発が小さくなっていますが、消費よりも若干高いということになっています。

経済解析室の作成している平成24年の延長産業連関表の説明スライドと解説をスライドシェアにアップしておりますので、ご活用ください。

◎スライド資料


◎解説資料



解説資料については、こちらからもダウンロード可能です。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kanieio/result/result_13/pdf/H24H23reportj.pdf