経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

投資の輸入誘発は、消費の輸入誘発よりも大きくなっている(延長産業連関表分析その10)

経済解析室では、5年ごとに作成される基本表とは別に、ほぼ毎年(簡易)延長産業連関表を作成公表しています。

産業連関表は、国内生産額と同様に、日本経済のへのもう一つの供給元である輸入についても誘発関係を計測することができます。
そこで、平成24年の延長産業連関表で様々な分析が可能とです。

延長産業連関表を用いて、平成24年の輸入額を最終需要項目別の輸入誘発額でみると、「消費」によって誘発された輸入額は44兆円、「投資」によるそれは23兆円、「輸出」では13.5兆円となっています。輸出による輸入の誘発とは、輸出品などを国内で生産するために中間投入として輸入される財、サービスの輸入のことです。

この輸入発額の構成比(輸入誘発依存度)を見ると、消費が55%、投資が29%、輸出で17%になります。
絶対額としては、消費によって誘発されている輸入が多いのですが、国内生産誘発依存度との比較では、投資に回る輸入が相対的に多いということになります。

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また、需要項目それぞれの1単位当たりの輸入額を表す輸入誘発係数を見ると、「投資」が0.2123、「輸出」は0.1706、「消費」については0.1183となっています。
最終需要が増えても、輸入が増加するのは、その需要額の1~2割程度ということです。

とはいえ、投資の増加は、消費の増加の2倍ほどの量の輸入を引き起こすことになっています。
サービスは輸入されにくいので、サービスの比率が高い需要項目では、輸入誘発が小さくなるものと考えられます。
しかし、建設まで含めた広義のサービスで考えれば、消費と投資でその構成比は変わりませんので、投資の輸入誘発の方が高いのはサービスの問題というよりは、投資に向かう財において、国産への偏り(ホームバイアス)が小さいということになるものと思われます。

経済解析室の作成している平成24年の延長産業連関表の説明スライドと解説をスライドシェアにアップしておりますので、ご活用ください。

◎スライド資料

 

◎解説資料

 

解説資料については、こちらからもダウンロード可能です。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kanieio/result/result_13/pdf/H24H23reportj.pdf