経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成29年4月の対事業所サービスは2か月連続の前月比上昇。非製造業向けサービスや投資向けサービスの水準が、近年の最高レベルになり、対事業所サービスの押し上げ役になっている。

対事業所サービスは2か月連続で前月比上昇

 第3次産業活動指数は、大きく「広義対事業所サービス」と「広義対個人サービス」に分けることができます。

 4月の対事業所サービス活動指数は、指数値104.2、前月比0.7%と2か月連続上昇となりました。昨年12月から今年2月まで3か月連続の前月比マイナスから、3月、4月とプラスが続いています。前月比上昇幅も、3月が前月比1.1%、4月が0.7%と強めの上昇幅が続いています。

 昨年末から少し弱含んでいた対事業所サービスですが、平成29年度明けをはさんで、少し勢いを取り戻しています。

 

4月は、非製造業依存型事業所向けサービスが大きめの上昇

 対事業所サービスは、そのサービス提供先の事業別に、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができます。

 4月は、「製造業依存型」サービスが前月比マイナス0.5%と2か月ぶりに前月比低下となり、「非製造業依存型」サービスが前月比1.6%と2か月ぶりに前月比上昇となりました。4月の対事業所サービスの前月比上昇に対しては、この非製造業依存型事業所向けサービスが上昇要因となっています。

 

 ただ、製造業依存型サービスの前月比低下が「2か月ぶり」とは言っても、昨年12月から今年2月までの3か月間は連続低下であり、その下落幅は大きくなっています。

 3月の前月比上昇幅は4.2%上昇と大きなものでしたが、その3か月の低下幅を補い切れていません。4月の同指数の指数値95.5も、下落前の昨年11月の指数値97.6だけでなく、12月の指数値96.4にも届かない状況でした。3月の大きな反動上昇はありつつも、この指数のグラフを見る限り、まだ低下傾向は続いているように思われます。

 

 他方、4月の対事業所サービス全体の上昇を押し上げた非製造業依存型サービスについても、今年の1月、2月ともに連続上昇であり、3月の低下は一時的でした。4月の指数値107.3は、平成20年6月の指数値107.7以来の高水準です。産業全体のサービス化の進展を踏まえ、非製造業向けの対事業所サービスは、リーマンショックが発生する前の活動水準に迫ろうとしているようです。

 

受注ソフトウェアや建設コンサルタントなど投資向けサービスが上昇

 4月の対事業所サービスの上昇に貢献した個別業種を上位から見ていくと、受注ソフトウェア、各種商品卸売業、建設コンサルタントが並んでおり、また産業機械器具卸売業も上位に来ています。

 各種商品卸売業は異なりますが、4月の対事業所サービスへの寄与が大きい個別業種には、投資関係のサービスが散見されます。

 

 企業の投資活動向けとなる「投資向けサービス」活動指数の推移を見ると、4月は指数値107.4、前月比8.9%と2か月ぶりの上昇になっています。昨年4月の投資向けサービスも前月比9.8%上昇と大きな上昇を見せていました。平成21年1月に投資向けサービス指数105.1と、110台を割り込んでから以降で、指数値107.4も単月としては、最も高い数値です(これに次ぐのは、平成24年5月の106.7)。

 

 投資向けサービスは上下動が大きいので、3か月後方移動平均で均しても、4月の活動レベルは高いレベルです。また、均した基調的な動きをみると、4月から指数水準が6月まで高い状態となり、7月に低下し、その後3月まで低い水準での横ばい推移というパターンが、一昨年、昨年と見出すことができます。今年もこのパターンが繰り返されるとすれば、5月以降、投資向けサービスが更に上昇する可能性があるということなのかもしれません。

 

 対事業所サービスは、昨年のサービス産業の伸びを支えていました(平成28年前年比:対個人横ばい、対事業所2年連続のプラスで1.4%上昇)が、昨年末から大きな低下を見せました。そこから4月に、非製造業向け、投資向けのサービスが回復し、大きな伸びを見せ、再びサービス産業にプラスの貢献をしてくれました。

 

 

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◎データPDF 

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/pdf/ITA_press_201704j.pdf

 

 

 

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4月のサービス産業の動向は、前月比1.2%と5か月ぶりの前月比上昇で、上昇幅も大きめ。3月の低下はあったが、均して指数値104前後の推移に復帰している。対個人サービスが大きく上昇寄与。

サービス全体は5か月ぶりの前月比上昇

 平成29年4月の第3次産業活動指数総合は、季節調整済指数104.8、前月比1.2%上昇と、5か月ぶりの前月比上昇となりました。

 3月は情報サービス業やプロスポーツの特殊な動きによって、前月比低下となりましたが、それらの要因が払拭され、4月は反動増も含めた、比較的大きめの上昇幅となっています。

 基調的なサービス産業の動きを確認するために、第3次産業活動指数総合の後方3か月移動平均を見てみます。

 今年の3月は均しても、やはり前後の月から比べて低い水準ではありますが、それでも指数値は103.8です。4月の移動平均(2、3、4月の平均)は、104.1です。昨年8月の移動平均が104.0となって以来、狭いレンジの中での推移が続いています。4月の指数値も単月では大きな上昇ではありますが、3月と均すと、この「狭いレンジ」の中の動きとなっています。

 

過去最高水準となっている「卸・小売業を除いたサービス」活動指数

 第3次産業活動指数の集計対象には、卸・小売業が含まれています。勿論、卸・小売業もサービス産業ではありますが、それを需要する動機は、サービスそのものを需要するというよりは、売買の対象となる財・製品に対する需要にあり、それ以外のサービス産業とは、需要の主旨が異なります。

 そこで、第3次産業活動指数総合から、卸・小売業を除外した、いわば純粋サービス産業活動指数も集計しています。

 4月の卸・小売業を除いた第3次産業活動指数総合は、指数値107.9、前月比1.7%と2か月ぶりの上昇となりました。この指数値は、平成22年基準(平成20年1月~)で最も高い値を更新しています。

 卸・小売業を含んだ指数が5か月ぶりの上昇に対し、卸・小売業を含まない指数は2か月ぶりの上昇ということで、昨年末から今年にかけてのサービス産業の停滞の一旦が、卸・小売業の停滞だったことが分かります。

 3月の卸・小売業を除いた第3次産業活動指数総合は、全体よりも急角度での落ち込みとなっており、卸・小売業がむしろ低下の緩和役になっていました。4月も卸小・売業はプラス寄与ではありますが、それ以外のサービス産業が大きく上昇しています。

 

久方ぶりに、対個人と対事業所の両サービスがプラス方向に寄与

 第3次産業活動指数は、大きく対個人サービスと対事業所サービスに2分されます。

 4月の対個人サービス産業活動指数は、指数値105.7、前月比1.8%と2か月ぶりの上昇となりました。対事業所サービス産業活動指数は、指数値104.2、前月比0.7%と2か月連続の上昇です。共に上昇幅が大きく、また両指数が共に前月比上昇となるのは、昨年6月以来、10か月ぶりのことです。

 また、昨年7月以降は、全体的に対事業所サービスが全体の変動に対して大きな寄与を見せていました。この4月はサービス全体の前月比1.2%上昇に対し、対個人サービスが0.89%ポイント、対事業所サービスが0.35%ポイントの上昇寄与で、対個人サービス主導の前月比上昇でした。これも昨年6月以来のことです。

 昨年、特にその後半から今年の第1四半期は、対事業所サービスの好不調が全体の動きにつながっていました。しかし、今年に入って回復傾向となってきた対個人サービスの上昇によって、サービス全体の上昇につながる現象がやっと立ち現れてきたことになります。

 

 

 

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平成29年4月の第3次産業活動指数は、3月からの反動増も含めて、大きめの上昇。全般的に良い数字となっているが、活動レベルを均すと狭いレンジでの動きが続いている。

 平成29年4月の第3次産業活動指数総合は、季節調整済指数104.8、前月比1.2%上昇と、5か月ぶりの前月比上昇となりました。3月は前月比低下となりましたが、そこからの反動増も含めて、4月のサービス産業活動指数は、比較的大きめの上昇幅を見せました。

 

 

基調的には「狭いレンジ」の中の動きが続く

 基調的なサービス産業の動きを確認するために、第3次産業活動指数総合の後方3か月移動平均を見てみます。

 今年の3月は均しても、やはり前後の月から比べて低い水準ではありますが、それでも指数値は103.8です。4月の移動平均(2、3、4月の平均)は、104.1です。昨年8月の移動平均が104.0となって以来、狭いレンジの中での推移が続いています。4月の指数値も単月では大きな上昇ではありますが、3月と均すと、この「狭いレンジ」の中の動きとなっています。

 

 

多くの業種で前月比上昇、情報サービス業、金融業などが先導役

 4月は、第3次産業活動指数の11大分類業種のうち、8業種が前月比上昇、3業種が前月比低下でした。比較的上昇幅も大きかったこともあり、上昇業種が多くなっていますし、低下業種の低下寄与も小さめとなっています。

 前月比上昇業種8業種のうち、影響度、寄与が特に大きいのが情報通信業、「金融業,保険業」、生活娯楽関連サービスの3業種です。

 

 

久方ぶりに、対個人と対事業所の両サービスがプラス方向に寄与

 4月の対個人サービス産業活動指数は、指数値105.7、前月比1.8%と2か月ぶりの上昇となりました。対事業所サービス産業活動指数は、指数値104.2、前月比0.7%と2か月連続の上昇です。共に上昇幅が大きく、また両指数が共に前月比上昇となるのは、昨年6月以来、10か月ぶりのことです。

 特に、対個人サービスでは、プロスポーツ観戦や買物、そして観光に人が動いていたようです。

 

 

基調判断は、「横ばい」で据え置き

 平成29年4月の第3次産業活動指数は、5か月ぶりに大きめの前月比上昇となりました。多くの大分類業種が前月比上昇、形態別の「インフラ」「財の取引仲介」「生活関連」が揃って前月比上昇でした。対事業所サービスも、対個人サービスも大きめの上昇幅を見せました。

 ただ、4月の上昇幅が大きめとは言っても、3月の低下幅が大きかったことによる面も大きく、3か月移動平均で見ると、やはり指数値104を中心とする狭いレンジでの動きが続いています。

 よって、4月のサービス産業(第3次産業)活動の基調判断については、「横ばい」で据え置きたいと思います。

 

 

 

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