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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

前期比1.8%上昇と2期連続上昇となった2016年Ⅳ期(10~12月期)のグローバル出荷。国内出荷の伸びを背景に、指数値105.8は、リーマンショック後の最高値を更新。海外出荷指数130.7も歴代2位のレベル。 ;グローバル出荷指数その1

 グローバル出荷指数とは、製造業の海外現地法人の出荷量と国内生産拠点から出荷量を合算して、日本の製造業のグローバルな活動を指標化したものです。この指標化により、海外生産と国内生産の動きを同じ土台の上で比較できるようになります。

 

 今回は、2016年10~12月期の計算結果のポイントを解説していきます。 まずは、全体の動きを説明していきます。

 

グローバル出荷は、リーマンショック後の最高値を更新

 2016年Ⅳ期のグローバル出荷指数(季節調整済)は、指数値105.8、前期比1.8%の上昇となりました。グローバル出荷指数の前期比上昇は2期連続となります。この指数値は、リーマンショック後のグローバル出荷指数のピークである2015年Ⅰ期の105.4を超え、最高値を更新しました。

 

 

 内訳をみると、日本企業の海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数(季節調整済)は、指数値130.7、前期比1.8%上昇と2期ぶりに上昇となりました。実は、この海外出荷指数のレベルも、2015年Ⅳ期(指数値131.1)以来の歴代2位の高いレベルとなっていました。

 他方、日本国内の生産拠点からの出荷である国内出荷指数(季節調整済)は、指数値97.9、前期比1.9%上昇と2期連続の前期比上昇となりました。

 2016年Ⅳ期は、国内生産拠点からの出荷の伸びの影響が大きく、グローバル出荷指数の前期比1.8%上昇に対し、国内出荷指数の上昇寄与が1.3%ポイントとかなりの部分の寄与を見せました(海外出荷指数の寄与は0.5%ポイント)。同年Ⅲ期に続いて、日本製造業の国内生産拠点における活動が、全体のけん引役であったことになります。

 

主要4業種のグローバル出荷が揃って前期比上昇

 主要業種別にグローバル出荷指数の動きを見ると、輸送機械工業が前期比2.4%(指数118.3)上昇、電気機械工業が前期比2.8%(指数95.6)上昇、はん用・生産用・業務用機械工業が前期比2.8%(117.7)上昇、そして化学工業が前期比2.8%(指数値103.4)上昇となりました。主要業種のグローバル出荷が揃って2%以上の前期比上昇を見せました。

 

 

 グローバル出荷全体の前期比1.8%上昇に対し、輸送機械工業の寄与が0.8%ポイントと半分以上の寄与を見せました。また、電気機械工業の寄与が0.5%ポイントを見せました。

 

 

 ただ、2016年Ⅳ期のグローバル出荷上昇寄与の大きかった2業種ですが、輸送機械工業は2007年Ⅳ期に次ぐ歴代2位の高いレベルの指数値になっていますが、電気機械工業は2期連続前期比上昇とはいえ、基準年である2010年の水準を下回っています。

 2016年Ⅳ期は、はん用・生産用・業務用機械工業も、化学工業もともにリーマンショック後最高値を更新していました。

 

海外ビジネスでは、輸出向け出荷の寄与も大きかった

 さて、グローバル化が進むことで、供給も需要も日本で「閉じた」国内ビジネスの存在感が低下してきています。

 そこで、国内出荷のうち、国内向け出荷、つまり供給・需要ともに日本国内で完結しているビジネスを「国内ビジネス」と定義し、これに対し、海外出荷と輸出向け出荷を、供給・需要の少なくともどちらかが海外という意味で「海外ビジネス」と定義し、その動きを見てみます。

 2016年Ⅳ期は、「国内ビジネス」指数は前期比1.4%上昇、輸出向け出荷指数、海外出荷指数がともに前期比で上昇したため、この2つを加重平均した「海外ビジネス指数」は、前期比2.5%上昇となりました。「国内ビジネス」指数は、2期連続で前期比上昇となっています。

 この「国内ビジネス」と「海外ビジネス」のグローバル出荷全体に対する寄与をみると、全体の前期比1.8%上昇に対し、「国内」が0.82%ポイント、「海外」が1.21%ポイントと、海外ビジネスの上昇寄与が大きくなっていました。

 

 

 ただ、「海外ビジネス」の内訳である輸出向け出荷指数、海外出荷指数の寄与をみると、「海外ビジネス」指数の前期比2.5%上昇に対し、海外出荷指数の上昇寄与は1.2%ポイントで、国内出荷の一部である輸出向け出荷指数の上昇寄与は1.3%ポイントで、ほぼ同程度の寄与を見せていました。

 

 

 2016年4期のグローバル出荷全体には、供給、需要の少なくともどちらかは海外となっている海外ビジネスの上昇寄与が大きかったのですが、その上昇には、国内拠点からの輸出向け出荷の寄与が半分の寄与を見せていました。

 よって、国内出荷の上昇寄与と合わせて見ると、2016年Ⅳ期では、供給面では国内拠点の活動が活発で、需要面では海外がけん引役になっていたことが分かります。

 

 

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平成28年Ⅳ期のグローバル出荷指数は、同年前半の横ばいから、2期連続の前期比1.8%上昇。リーマンショック後の最高値を更新。海外現地法人の出荷も増えたが、主に国内出荷の伸びが主因。 ;グローバル出荷指数 2016年Ⅳ期

グローバル出荷指数は、リーマンショック後の最高値を更新

 2016年Ⅳ期のグローバル出荷指数(季節調整済)は、指数値105.8、前期比1.8%の上昇で、2期連続の上昇となりました。この指数値は、リーマンショック後のピークだった2015年Ⅰ期の105.4を超え、2010年以降で最高値となりました。

 グローバル出荷指数は、2015年のピーク後から停滞気味の推移となっていましたが、2016年Ⅳ期に少し上向きの方向感が出てきたようです。

 

国内出荷の増加によって、グローバル出荷が上昇

 内訳をみると、日本企業の海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数(季節調整済)は、指数値130.7、前期比1.8%と2期ぶりに上昇となりました。また、日本国内の生産拠点からの出荷である国内出荷指数(季節調整済)は、指数値97.9、前期比1.9%と2期連続の前期比上昇となりました。

 海外出荷も伸びてはいましたが、2016年Ⅳ期のグローバル出荷の前期比1.8%上昇に対しては、国内出荷が1.3%ポイントの上昇寄与となりました。

 

 

 業種的な寄与では、輸送機械工業の上昇寄与が最も大きいのですが、主要4業種が揃って上昇寄与となりました。主要4業種では、国内出荷、海外出荷が揃って前期比上昇となっており、2016年Ⅳ期のグローバル出荷の伸びは、内外、そして業種的にも広がりのあるものとなっていました。

 

 

海外出荷では、「日本向け」「アジアの現地法人」が活発化

 海外出荷指数を仕向け先別にみると、ウェイトの大きい「自国向け(=現地法人の立地国市場向け)」が、海外出荷全体の前期比上昇への寄与が大きかったのですが、実は、「日本向け」出荷も大きな寄与を見せました。2016年Ⅳ期の値に近い上昇寄与を日本向け出荷が見せるのは、9四半期ぶり(2014年Ⅲ期以来)となっています。

 

 

 日本向け海外出荷が伸びを見せているため、逆輸入比率(日本の輸入量に占める海外現地法人の日本向け出荷の比率)が、2016年Ⅳ期に上昇しています。

 2015年中に低下していた逆輸入比率の動きが逆転しているのが、興味深いところです。鉱工業総供給表で実質化、数量化した輸入品供給の値をみると、2015年から2016年にかけて前年比マイナス2.5%と輸入量が低下していた影響かもしれません(逆輸入比率の分母が低下していた)。

 

 海外出荷指数を地別にみると、全体の前期比1.8%上昇に対し、中国指数(中国に立地する現地法人の出荷指数)の寄与が1.0%ポイントで、ASEAN指数の寄与が0.6%ポイントとなり、アジア地域に立地する現地法人の活動が活発だったことが分かります。他方、同年Ⅲ期に「一強」となっていた北米指数が一転、マイナス寄与となりました。

 
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3か月ぶりの欧米向け出荷の上昇と中国向け出荷の大幅上昇により、2月の輸出向け出荷は前月比5.8%上昇。設備投資向け財の輸出向け出荷も4か月連続上昇で、外需は堅調。;鉱工業出荷内訳表その2

一昨年初並みの高い水準となった2月の輸出向け出荷

 平成29年2月の輸出向け出荷は、指数値106.2、前月比5.8%上昇と2か月ぶりの上昇となりました。鉱工業出荷全体の前月比マイナス0.1%低下に対して、輸出向け出荷は大きな上昇寄与となり(国内向け出荷は前月比マイナス0.6%低下)、1月とは大きく異なる結果となりました。

 

集積回路、自動車部品などの生産財の輸出向け出荷が上昇

 輸出向け出荷の需要先別用途別分類(財別分類)では、生産財の輸出向け出荷は前月比7.7%上昇、最終需要財も前月比4.6%上昇でした。輸出向け出荷の上昇に対しては、生産財の上昇寄与がかなり大きくなっていました(生産財の寄与:最終需要財の寄与=8:3)。

 生産財の輸出向け出荷上昇への寄与では、輸送機械工業の自動車部品(輸出向け出荷前月比9.0%上昇)、電子部品・デバイス工業の集積回路(輸出向け出荷前月比11.9%上昇)などが上昇寄与となっていました。

 

 

輸送機械を除く資本財の輸出向け出荷は、4か月連続上昇、上昇幅も拡大

 最終需要財では、全ての財分類が前月比上昇となりましたが、上昇寄与の大きさという面では、資本財の上昇寄与が特に大きくなっており、最終需要財の上昇寄与の8割以上が資本財の輸出向け出荷の寄与分でした。

 特に、輸送機械を除く資本財は、前月比8.2%上昇で、4か月連続上昇となり、一昨年から昨年半ばまでの低下基調から、昨年末に急角度の上昇基調に転換しています。

 この資本財の輸出向け出荷の上昇には、電気機械工業の発電機などの電気設備やはん用・生産用・業務用機械工業の産業用ロボットや金属工作機械が出荷上昇要因となっていました。海外からの設備需要が堅調であることが分かります。

 

 

業種全般で輸出向け出荷は上昇

 1月の輸出向け出荷の業種別の動きをみると、14業種中11業種が前月比上昇でした。上昇寄与が大きかったのは、化学工業(医薬品を除く)、電気機械工業、電子部品・デバイス工業などでした。

 化学工業(医薬品を除く)の上昇には、非耐久消費財である化粧品の輸出向け出荷が前月比で39.3%上昇したことが反映されています。電気機械工業は資本財の、電子部品・デバイス工業は生産財の輸出向け出荷上昇に対応する上昇です。

 

 

3か月ぶりに欧米向け出荷が上昇、加えて中国向けも大幅上昇

 2月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、1月とは打って変わって、ほぼ全ての主要地域向けの出荷が前月比プラスでした。

 

 

 アメリカ向け出荷は前月比2.7%上昇、欧州向け出荷も前月比6.1%上昇でした。アジア向けでは、ASEAN向け出荷が前月比マイナス0.1%低下でしたが、中国向けの出荷が前月比19.3%上昇と、非常に大きな上昇幅を見せました。

 このため、輸出向け出荷の地域別寄与をみると、中国向け出荷の寄与が圧倒的に大きくなっています。輸出向け出荷の前月比5.8%上昇に対し、中国向け出荷の上昇寄与が4.41%ポイントとなっています。

 3か月ぶりに上昇となった欧米向け出荷の上昇に加えて、中国向け出荷が大きく回復して、輸出向け出荷を押し上げました。

 

 

 
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